ふむふむつうしん 第3回

「学び舎ふむふむ」は「想像・体験の日」、「自然から学ぶ日」、「哲学・言葉の日」、「“そもそも”をたどる日」、「暮らしの知恵から学ぶ日」の5つの中から、ひと月に2つのテーマを取り上げて学んでいます。


9月の前半は「哲学・言葉の日」。テーマは「AI(人工知能)から人間らしさとは何かを考える」でした。ここ最近、AI関連のニュースがぐんと増えました。皆さまよくご存知のこのミニコミ誌発行人でふむふむ案内人の釘宮さんは、とあるお店にいたAI搭載ロボットPepperくんに「私を見ていましたね!」と話しかけられて(見破られて!)、大変どきっとしたのだとか。AI技術は急速に進化していて、私たちの日常生活にいつの間にかぐいぐい入り込んできています。AI時代を迎え、人はどうなる?どう生きる?は、もはや避けられないテーマです。

前半はそもそもAIって?という基本的な知識や最近の動向と研究についての資料や新聞記事を読みました。するとちょっとした動揺の空気が流れます。AIはどこまでいくの? 開発者が悪意を持ってAIを利用し始めたら? AIに仕事を奪われたら人は何をする? 答えはでない中でも、どう生きるかを考えていくのが学び舎ふむふむの目的たるところ。後半では、AIを意識した上で「人間らしさ」「人間こその力」を考えました。すると出てくる出てくる!直観力、共感力、“勘”などなど、人間ならではの力がたくさんあることにあらためて気づき、ほっとした空気に変わりました。AIとも向き合いながら、人間の弱さも強さも大事にして暮らしたいといった意見もでました。終わりに誰かのお腹がぐぅ~っとなり、食欲の秋の到来をひとりがつぶやくと、参加者全員が強く共感して大笑い。まさしく「人間らしさ」を実感したのでした。

           

9月後半は、暮らしの知恵から学ぶ日。テーマは「祭り」です。

皆さんにとって「祭り」といえば、何を思い浮かべるでしょうか? 神輿や山車、お神楽や打ち上げ花火や踊り、祭りの時ならではのごちそう、縁日の綿菓子や金魚すくいなどなど、地域の祭りの特徴や子どもの頃の思い出が参加者からたくさんでてきました。

神々の訪れを「待つ」が「祭り」の語源。そして、カミ、ヒト、モノがやってくるとき、古代人は着物が擦れるような音を感じたので「音擦れ」が「訪れ」の語源だとか。五穀豊穣や豊漁、航海の安全を祈ったり感謝したり、穢れを払い無病息災を祈るなどが多くの祭りの本来の目的。そしてなるべく長く神々にとどまってもらうために、お神酒や食事を奉ったり、奉納の芸能を用意したり。日本全国でわかっているだけでも30万か所で1年中祭りがおこなわれているといいます。

地域おこしの意味合いが強くなってきた昨今の祭りですが、歴史や本来の意味を少し知るだけで、違ってみえてくることも発見です。観客動員や盛り上がりが目的の「イベント」との違いも考えました。その土地に暮らしてきた人々の生きる知恵や祈り、大事に受け継いできたものが「祭り」にはつまっている!ますます祭りが好きになりそう!本来の意味も含めて子どもたちに伝え残していきたい!などの感想がでました。

 

 知っていることもあらためて見つめてみると、小さな発見にあふれています。発見の喜びも人間ならでは!10月は前半が「自然から学ぶ日」、後半が「“そもそも”をたどる日」です。

ご参加お待ちしています!   
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# by tomotomoso | 2017-10-09 16:19 | ふむふむつうしん | Comments(0)

ふむふむつうしん 第2回

始まったばかりの「学び舎ふむふむ」ですが、8月はしっかり夏休み。お休みをとることも大事です!緩急つけて時々休みつつ、楽しく歩んでいきます。

 この休み中にふむふむ案内人の私が体験してみなさんに特にご紹介したいことがひとつ。それは東京の外苑前で開催されていた“見えない”展覧会、「ダイアログ・イン・ザ・ダーク(暗闇の中の対話)」です。これは90分間の“完全”暗闇空間体験。各回定員は8名。ほとんどが初対面の人で8人のグループになり、白杖(視覚障がい者が使う杖)を手に、暗闇に用意されたさまざまな場面を体感していきます。その何も見えない世界を案内してくれるのが、暗闇のエキスパートである視覚障がいをもつ頼もしいアテンドスタッフ。内容をあまり細かく書くと今後体験する方の楽しみを奪ってしまうので少しだけ。何も見えない空間で、下に川が流れる橋を渡ったり、草むらを歩いたり、暗闇バーで飲み物を注文してみんなで乾杯したり!90分間があっという間です。

見えないことで眠っていた自分の中の感覚がムクムクと目覚めます。私個人の感想ですが、香りが脳に直接届くような感覚、草を踏む感触もいつもより立体的、自然と音を頼りに距離を測り始めていたり、空気の感触で目の前の空間の広さを想像していたり。グループの仲間同士で自分の気づきを言葉に出して伝え、その言葉を信じて進むというやりとりの心地よさ。お互いにとりあった手の感触。普段自分がいかに視覚に頼り、見てないこと、感じていないこと、横着していること、がたくさんあるか、にも気づかされます。同時に、自分の中に確実に存在してくれていた「感覚」を再発見した喜びも。また、暗闇の中で自由に動きまわるアテンドスタッフが普段感じているだろう世界の奥深さを少しだけ想像させてもらいました。

 この展覧会は1988年にドイツの哲学者アンドレアス・ハイネッケの発案によって生まれたもの。ラジオ局での仕事で接点を持った視覚障がい者たちが、自分たちにわからない面白い文化を持っていることに気がつき、暗闇体験プロジェクトを考え始めたとのこと。1999年以降は日本でも毎年開催されていて、ここ数年は常設展もおかれていました。このたび借りていた会場の都合で8月いっぱいで終了となったのですが、再開を望む声がすでにあがっています。何しろ完全なる暗闇を作れる会場を探すことが非常に困難とか。発祥地ドイツではこの展覧会の開催を国も支援していて、チケット代は日本の約3分の1。暗闇では年齢も風貌も社会背景も関係なし。自分の視座を変えて学べることの大きさを考えると、日本でも気軽に体験できるようになることが望まれます。今回私が90分を共にした8人の中には、小学4年生の女の子がいました。最初は怖いと言っていた彼女。実際に暗闇に入ると、おとなもこどもも関係なくみんな同じ状況にあるとすぐに感じたのか、どんどん頼もしく声を出してリーダー的な存在に。体験終了後は、暗闇の中でもいろんなことがわかるし、みんなで協力して伝え合うのが楽しかった、と元気よく感想を話していました。

 下記の参考文献の中で、視覚障がいを持つ方が、「見える」と「見る」、「見えない」と「見ない」は違う、ということを言っていました。「聞く」「聴く」でも同じようなことを言いますが、自分たちの「見えている」姿勢がどんなものかを見つめてみることも大事だと思いました。

 このイベントと同じことはできませんが、学び舎ふむふむの「想像・体験の日」では、「見えないを体験・想像する日」も計画中です。お楽しみに。

参考文献:『まっくらな中での対話』茂木健一郎withダイアログ・イン・ザ・ダーク 講談社文庫

         『暗闇から世界が変わる ダイアログ・イン・ザ・ダーク・ジャパンの挑戦』志村真介 講談社現代新書 
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# by tomotomoso | 2017-09-15 00:42 | ふむふむつうしん | Comments(0)

ふむふむつうしん 第1回

 2017年7月6日、偶然にも大安、天赦日、一粒万倍日という暦上の吉が重なる日、「学び舎ふむふむ」がスタートしました!年齢や立場などの垣根を越えて、身近なものから共に学び考える時間です。月の前半と後半で、ふたつのテーマで学びます。7月の前半は「暮らしの知恵から学ぶ日」、後半は「想像・体験の日」でした。
 7月前半の「暮らしの知恵から学ぶ日」。テーマは「年中行事・ハレとケ・七夕」。みなさんにとって年中行事とは?という問いから始まると、出てくる出てくる! 正月、七草がゆ、鏡開き、節分、、、家族の誕生日やクリスマス、大晦日などなど。育った地域の独特の風習も伺うことができておもしろい!そして「ハレとケ」とは?というところから、生活リズムや日常の緩急などについて、昔の人の知恵と現代の私たちの生活について話し合いました。
 次にこの時期の行事の「七夕」の由来について学びます。中国の伝説と日本の習俗の習合である七夕。古代日本の農村では1年を2期に分けて考えており、夏から秋への転換期にあたる7月の満月の頃、祖霊を迎え、収穫した麦や雑穀を備えて先祖に感謝する祭りを行っていました。これがのちのお盆です。満月に祖霊を迎えるための禊(みそぎ)の行事として、「棚機女(たなばたつめ)」と呼ばれる若い女性が祖霊に捧げる衣服を機織りでおり、祖霊が降臨する際の依代である笹にその布をつけて立てていたのが、七夕の由来とか。それと古代中国の織姫伝説が組み合わさり、星祭りの色合いが増していったようです。
 さて、なぜ七夕には星が見えにくい梅雨の夜空を見上げるの?という疑問。すぐに「旧暦」という答えが返ってくる方もいるかもしれませんが、旧暦を改めて学ぶと、なかなか複雑で意味の深いものでした。旧暦とは太陽太陰暦のこと。「太陽暦」(地球が太陽の周りを一周する時間を「1年」と考える暦=おおよそ 365.24219 が 1年)と「太陰暦」(月の満ち欠けの1サイクルにかかる時間を「1月」と考える暦=おおよそ 29.530589 日が1月。×12回で1年)の組み合わせでできています。旧暦の1日は新月、3日は三日月、15日は十五夜でほぼ満月。7日といえば、月齢7前後の日。旧暦で話せば、その日の月がどんな状態か、月あかりの程度がわかるわけです。電気がない時代、夜なべ仕事をする日も月を見ながら決めていたようです。赤穂浪士の討ち入りは「旧暦十二月十四日」だったとか。
 話しは七夕にもどり、旧暦7月7日は新暦では8月、今年でいえば8月28日。8月の夏の夜空、上弦の月が夜10時半ぐらいに西の空に沈めば、真っ暗な空。織姫と彦星が出会えるのを眺めるのも可能な気がしてきませんか?
 年中行事を意識して生活にリズムを取り入れることで、長くて短い1年、そして一瞬一瞬を豊かに生きられる気がする、ないことの豊かさを改めて感じた、起源を知ると捉え方が変わる、などの感想が参加者からきかれました。
 「学び舎ふむふむ」は知識を増やすことより、感じて考えることを大事にしたいと考えています。始まったばかりの「学び舎ふむふむ」、どうぞ一緒に育ててください。いつでも体験ができますので、皆さまの参加をお待ちしています。(ソガベ)
参考文献:『日本のしきたり 冠婚葬祭・年中行事のなぜ?』神崎宣武監修 ダイアモンド社
『日本人が忘れた季節になじむ旧暦の暮らし』千葉望著 朝日新書
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# by tomotomoso | 2017-08-01 18:12 | ふむふむつうしん | Comments(0)