ふむふむつうしん 第13回
7月中旬の夜、散歩をしていると、土から出てきたばかりだろう蝉の幼虫がゆっくりゆっくり、地を歩いている姿に出会いました。蝉が出てきただろう穴と蝉の抜け殻は見たことがありましたが、幼虫が歩く姿を見るのは私には初めてのこと。そこは自転車や人が通る道だったので、思わず急いで!と人間目線で思ってしまいました。そして生きる舞台を移動している蝉をみてはっとしたこと。蝉の一生は数週間で短いと思っていましたが、なんで私は地中での時間を蝉の一生の中に含めて捉えていなかったんだろうと。蝉は人生(蝉生?)の多くを地中で過ごし、最終章(出会いと生殖のクライマックス?!)を地上で過ごす、と考えるとなんだかしっくり。そんな見方も当の蝉には、はっ?と言われそうです。生きもの好きのオットに蝉の一生ってよく短いっていわれるよね?とまで話をしたら、短くないけどね~、17年蝉というのもいて・・・とすぐに返ってきました。おっーと、そうですよね。目に見えない部分に思いを馳せずして、目に見える部分だけ見て勝手に決めつけていること、まだまだいっぱいだろうな、と思いつつ、聞こえてくる蝉の声にあの蝉の声かな?と、またまた勝手に出会った幼虫がオスだったと決めつけている私でした。
7月のおやこふむふむのテーマは「五感力」。先月のふむふむつうしんでご紹介した本も使いながら、子どもと過ごす日常の中で五感を意識してみることについて、ワークもしながら考えました。母たちが学ぶ隣で1歳から5歳までの子が思い思いに遊んで過ごしています。夏休みに入ったばかりでお母さんと一緒にきてくれた幼稚園の年中さんの女の子は、袋の中のものを手で触ってみるワークに積極的に参加してくれ、触覚で感じとったものを素直にわかりやすく表現して見事に中身をあてました。そして石の写真をみせて石ってなーに?ときくと、何通りものこたえが返ってきます。子どもはなんて頭がやわらかい!おとなはこたえる前に、「あってるかわからないのですが」と断りが入ります。正解なんてないのに、期待されるこたえと違うことを言うことを恐れてしまうのがおとなです。そして、いつの間にか、子どもたちにも自分が期待した反応を求めてしまう。大人もマケズに頭を柔らかくしたら、親子の会話(やりとり)はもっとはずみそうです。「育自は育児」だなぁと親子の姿を見て実感します。ここしばらく、おやこふむふむでも学び舎ふむふむでも、音読の時間を作っていますが、おとながリズムよく詩を読み始めると、こどもたちが自然と笑顔で身体をゆらしてリズムをとっていきます。言葉のリズムを身体全体で感じてそれが活力となっていく様子を体現してくれています。大事にしたい習慣です。
7月の学び舎ふむふむは、前半が暮らしの知恵から学ぶ日でテーマは「お盆」、後半は哲学・言葉の日で「昔話」がテーマでした。体験クラス(希望にあわせて随時開催)もあり、「生きるを考える」というテーマで一緒に学びました。学び舎ふむふむもこの7月で2年目を迎えました。おやこふむふむも始まり、ますます楽しみな2年目です。ぜひ体験しに来てください。 (ソガベ)